今、僕はこの世から切り放された状態に陥っている。
はっきり言うと、自分でもよく解らない。
「え、えっと、ですから、貴方の命を貰いにきました」
「…あ〜、すみません。 家ではそういうのちょっと扱っていないんで」
「あ、えっと、わからないでしょうが貴方には、えっと、死んでもらいます」
なんともいえない状況だ…。
ボクと死神
Opening:物語の始まりを…
僕は生まれてこの方、大きな悪事というものを働いたことがない。
疑いをかけられることもあったけど、精々ピンポンダッシュ程度だ。
大体、人を殺すなんてはっきり言って小心者の僕では無理だろう。
それなのに今、僕の目の前にいる明らかにこの世の住人ではない格好をした少女が僕を死刑にするとか言っている。
いや、これはこれで中々スリリングな日常なんだけど、僕はそんなもの望んでいない。
「あ、あのー」
なんでも僕は『全人類を破滅させる人物』として天界(これに関しては全く意味がわからない)から死刑にしなさいといわれてきたらしい。
「も、もしもーし」
…迷惑極まりない。
多分、頭がおかしいんだろう。
可哀想に、セカンドインパクトの後からこういう子が増えたって叔父さんも言ってたな。
「えっと、それじゃいきますよ〜?」
服装からしておかしいもんな。
長い黒髪で黒い瞳。背丈は同じくらい、まぁ、それはいいとして…。
顔から下は黒いマント(?)に身を包んで、両手で大きな(僕と同じ背丈の)鎌を持ち、そしてそれを振りかぶって…って、おい。
「んな!?」
「えい!」『ザシュ!!』
彼女はそれを思いっきり振り下ろしてきた。
間一髪のところでよけれたのだが、思いっきり地面に刺さっている。
「ちょ、ちょっと、避けないでください〜」
「…あのね、キミ」
どうやら本気で頭がイカレているようだ。
「も、もう、抜けない〜」
地面に突き刺さった鎌を抜こうと必死に持ち上げようとしている。
…少しキュートだ。
は、いかんいかん、ちょっと惹かれてしまった。
「み、見てないで手伝ってください」
…随分自分勝手な子である。
と、思いつつ手伝う僕。
二人で引っこ抜くと何とか抜けた。
彼女はそれを構え、頭を下げた。
「あ、ありがとうございます」『ぐぅぅぅ』
彼女がお礼を言うと同時に彼女のお腹の音がなる。
顔が真っ赤になって俯く。
なんだか可哀想っていうか可愛い仕草…。
「…家、来る? ご飯くらいならだせるよ」
彼女は驚いた表情を作って、少し沈黙した。
まあ、殺そうとする人物に世話になるのは少し気がひけるか?
そう捻くれる必要はないのになぁ…。
「…お、お願いします」
以外に素直だった。
「(もぐもぐ)」
黙々と僕の作ったチャーハンを平らげていく少女。
「…そろそろキミのこと聞きたいんだけど」
「(もぐもぐ)」
さっきからこの調子である。
余程お腹が減っていたのだろう。
「(もぐも、ぐ)う、み、水」
「…あのさ、誰も取らないからゆっくり食べなよ」
水を渡すと彼女は一気に飲み干してしまった。
「ふぅ〜、生き返った〜」
そいつはようございました。
僕が見ているのに気づいたのか、顔を赤くして頭を下げた。
「あ、ありがとうございました。 もう三日も食べてなくて、本当に助かりました」
「…三日も? 何してたの、ご飯食べないで」
「えっと、貴方を探してました」
「んで、なんでまた僕なんかを殺そうとするわけ?」
これこそが最大の疑問だ。
理由もあやふやだし、いや、理不尽か…。
「え〜っと、やっぱりこういうのはちゃんとしといた方がいいですよね」
「まあ、意味不明に殺されるのは勘弁だからね」
小一時間、彼女の話を聞いていた。
「…と、いう訳です」
「つまり、僕は将来、サードインパクトの種となるから今のうちに潰せ、ってこと?」
彼女の話が本当ならそういうことになる。
これは、はっきり言って物凄く胡散臭い。
「というか、さっきからそう言ってたんですけど」
「…信用できるわけないでしょ」
ため息交じりに答える。
「いきなり死ねはないでしょうに…」
「え、えっと、初仕事だったんで、ちょっと」
『ちょっと』ってなんだよ、なんだかなぁ。
「はぁ、それで、キミどうするの?」
「どうするって…う〜ん、失敗ってことにしときます。 貴方いい人そうですし…」
おいおい、さっきと正反対なこと言ってないか?
「それに実はサードインパクトまでまだ時間がありますし、って聞いてます?」
「聞いてるよ」
「だから、暫らく私が貴方を監視します」
…話がややこしくなってきた。
「なんでそうなる!?」
「当たり前じゃないですか、貴方は世界最高最悪の犯罪者ですよ?」
「いやいや、それは君の頭が…」
「ともかく、そうでもしなければ貴方は死ぬことになりますよ?」
「…わかった、百歩譲ってキミが本当のことを言ってるとしよう」
百歩どころか一万歩ぐらい譲っているであろう。
ぶっちゃけ、どうしようもないからなぁ。
「キミは監視するとか言ってるけど、家は?」
「もちろん貴方の部屋に」
おいおいおいおい、ちょっと待て。
「それに、後もう少しで貴方もここから去らなければなりません」
また訳のわからんことを…。
「なんで?」
「びこーず、貴方の父、碇ゲンドウに呼ばれるからです!」
微妙に英語だし…
〜 色々とこの作品についてアレコレ 〜
どうも、お久しぶりです、え、何してたかって?
よくも聞いてくれました、アレですよアレ。まぁ、いいですよ、アレ…。
そんなことはさておき…お久しぶりです(本日二回目)獣医のせがれです。
え〜、エヴァンゲリオンEの方は置いといて、新作ですね、コレ。
え〜っと練習用に書いてみた試験的な作品です。
主人公二人の名前明かしていないのはわざとです(次で行数稼げるし…)
っていう
か少年の方はシンジです、わかると思いますが…
う〜ん、それでは、また次回で
管理人の話
どうもーマコTですー。獣医のせがれさんの新作、ボクと死神。
いきなり出てきた少女は一体何者なのか?
話し方がなにやら可愛げな様子。
しかも、空腹で?
うーむ、斬新だ…。
これからの展開が、どうしようもなく楽しみです。
ところで、マコT的には何の旅に出てたかが気になるところです。
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