便利屋
第八話 第五使徒襲来
「よし、大体持つものはもったし…行くか…。」
自室でなにやら準備していたシンジはそれをすべて小さなかばんに詰め込んだ
居間に出ると、朝食を軽く食べ、ミサトに書置きを残した
『ちょっと行ってくらぁ。くれぐれも保安部とか呼ばないように。もし来たら片っ端から殺すからな!』
シンジはおよそ二日間の旅に出た
「ええーーーー、これってもしかして…家出!!?」
ミサトがこの書置きを見て、家出だと勘違いするのはおよそ二時間後だった
そして、書置きの最後のほうを見ずに、保安部に助けを求めたのはその一時間後だった
一方、シンジはと言うと、最近やっと弟子が自分達だけでもトレーニングをこなせるようになってきたので
今日は、コウジに前々から頼まれていたお仕事をやっちゃおうと言うわけである
と言うわけで、彼は第二東京市にある、国際空港に来ていた
時間にして、このころにミサトが気づいたのだ。
国際空港にいると言うことは、もう手遅れである。
今頃ネルフでは大変な騒ぎになっているだろう
その騒動の真犯人であるシンジは
「え…とアメリカは…。え…と、首都は…ワシントンだったかな?でも、行くならニューヨークのスラム街にも行ってみたいし…。」
切符売り場で迷っていた…(汗)
「ま、いいや。とりあえずワシントンに行こう。」
シンジのこのアバウトさは、やはりコウジの影響だろう
彼はそうして、機上の人となった。
この三十分後ぐらいに
保安部が第三新東京市を探し回ったのだが
もう後の祭りである。
ちなみにこのとき某髭親父が
「い、いかん!!シンジが私を殺しに来る!!」
とか言ってたのは別の話。
「おう、アスカー、元気か?」
で、さっき言った大変アバウトなナイスミドルの話になるのだが
この人は、今日もチルドレンの護衛としてアスカにくっついていた
「あ、コウジさん。」
「よ。訓練か?」
「ううん。ただ体を動かしたかっただけ。」
そういってアスカは訓練場でシャドーをやっている
何処からどう見ても訓練にしか見えない
しかし、このアスカ、実は太りやすい体質で
毎日運動してないと
「きゃーーー、又1kg太ってる!!!」
という事態になりかねないのだ。
だから、訓練がない日はこうして軽い運動で消費カロリーを増やしているのだった
「聞いたか?サードチルドレンが第四使徒を殲滅したってさ。」
「うん、聞いたわ。サードチルドレンってコウジさんの弟子なんでしょ?」
「ああ、会ったら仲良くしてやってくれ、普通の人間じゃあの野郎の気性の荒さにはついていけない。」
コウジはそういって懐かしむかのように眼を細めた
実は数年前こんな事件があったのだ
シンジがまだあの性格になってないころ
彼は学校で虐められていた。
もうそれは陰湿に
で、相談してきたシンジにコウジが言った一言が
『殺せ』
だった。いや…多分、シンジの性格はコウジの影響だと思う。
とにかく、コウジがそんなアドバイスをしやがったおかげで
学校でシンジを虐めていた子供全員
全治二ヶ月の重態
でもって、シンジが虐められて居たことを知りながらも、シンジが切れたことにだけ怒った教師
全治五ヶ月の重態
そして、それを止めようと入ってきた教師達全員
全治二週間
それを聞いたコウジは
『うむ、さすが俺の弟子。』
とか言ってたようだ。
そのせいで、シンジに近づくものは、前から仲の良かった友達だけになってしまった
ま、そのころは切れるとすごいことをやらかすだけだったが
それから三年ほど経つと
彼の性格は驚くほど変わっていたそうだ。
「へぇ…確か、今回の戦闘でエヴァの右腕部と腹部に損傷をおったって聞いたけど。」
「ああ、そうだな。」
アスカは勝ち誇ったような顔になった
「あたしが行けば、使徒なんて一瞬なのに。サードチルドレンなんていらないのに。」
しかし、アスカはそれを言った瞬間顔に軽い衝撃を受けた
それは平手打ちだった。
「アスカ。お前は勘違いしてる。」
呆然とするアスカにコウジは一言一言間を空けながら言った
「お前はそれほど強くない。」
コウジの言葉にアスカは反発する
「どうして?あたしは強い!!シュミレーションだって今までの使徒に負けなかった!!」
「違う!お前は精神的に弱いんだ。」
コウジはアスカの手首を掴んだ
「お前は少しのことで壊れる。俺はそれが心配だ。今だって、俺に自分の価値を否定されると壊れそうになってる。」
「離して!!!!」
アスカは少女とは思えない力でコウジの手を振り払った。
そして、反射的にかどうかは解らないが、アスカはコウジの顔を思い切り殴った。
コウジは黙って受けた
それを見たアスカは我に返ったのか
驚愕に眼を開くと
一気に青ざめ
そのままへたっと座り込んだ
「ご…ごめん…なさい…。」
コウジは無表情だ。
怖いぐらいに無表情だ
「ごめんなさい…。」
アスカは謝る。
「アスカ…お前は自分で粋がってるけど、本当はただの女の子なんだぞ?」
「うん…。」
「エヴァに乗れたからって何も変わらないんだ、お前はただの女の子なんだ。」
「うん…」
「買い物に行ってはしゃいだり、甘いものが好きだったり、そんな女の子なんだぞ?」
「うん…。」
「だから、もう少し肩の力を抜け。そして、普通の女の子になれよ。今のお前からエヴァを取ったら何も残らないような気がするぞ。」
「わかった…。」
「よし、じゃあ一緒にパフェでも食うか。俺のおごりだ。」
そういって彼は訓練場から出ようとした
その背中にアスカの声がかかった
「…コウジさん…ごめんなさい。」
「ばーか、俺はあんなこと気にするほど心が狭くねぇよ。」
「うん…ありがとう…。」
「おーよ、さ、俺がおごってやるって言うんだから、気がかわんねぇうちに食堂に行こうぜ。」
その少年のような口調にアスカは少し笑うとついていった。
アスカはこの日から、肩の力が抜け、普通の女の子のようになったという。
ま、まだ肩の力は抜け切ってないけど。
ここはアメリカ
そのワシントン州
彼は鼻歌でも歌いながらそこにいた
「うわ、久しぶりだな…。」
いわずと知れたシンジである
飛行機に揺られて十四時間
その間爆睡していたシンジは
ようやくここについた
そして、彼が今居るところは
大統領宅のすぐ前だったのだ
当然門のところには監視が居る
「やあ、ロバート、何年ぶりかな?」
「おお、シンジじゃないか、確か五年ぶりぐらいかな?」
流暢な英語で監視と話すシンジ
どうやら彼はかなり顔が広いらしい
「で、今日は大統領に用があんだけど。」
「ああ、大統領も『今日あたりかな?』ってまってたよ。」
監視はそういって門を開けた。
シンジはその中に入っていった
で、玄関のところまで歩いていくと
チャイムを押した
『ぴんぽーん』
そして、インターホンから大統領の声が聞こえてきた
『誰かね?』
「シンジでーす。開けてください。」
『おお、シンジか待っておったぞ。今開けるからな。』
「はーい。」
そして、しばらく経つとその扉が開いた
そこには大統領がいた
「お久しぶりです大統領。」
「ああ、久しぶりじゃな。」
ちなみに、ここの会話はすべて英語である
「今日はちょっと仕事できたんですよ。」
「ああ、コウジから聞いておるよ。」
「これを。」
そういってシンジは手紙を渡した
「ああ。何々?…ちょっと惜しいが解った。」
「なんて書いてあったんですか?」
「ああ、アメリカで研究中のS2機関の開発を辞めるようにとな。」
「へぇ、そんなことしてたんですか?」
「ああ。だが、コウジが止めろといってるんだから何か悪いことが起きるのだろう。」
「そうですね。」
シンジは近くにあったソファーに座った
そのすぐ後だった
電話のベルが鳴ったのは
大統領はそれを取った
「…解った。」
彼は少し話をするとすぐにそれを切った
「シンジ、君は確か今サードチルドレンなどをやっているのではないか?」
「ええ、そうですよ。それが何か。」
大統領は真剣な表情で言った
「大変だ。使徒が来た。」
シンジの表情が一変した。
今日の舞台裏
マコT「今回は更新早いです。このままずっと続けます!!!」
シンジ「頑張ってください」
マコT「ええ、頑張りますよ。」
シンジ「結構原作変わってるね」
マコT「ええ。レイちゃんの家に行かないで第五使徒襲来」
シンジ「うっわー。」
マコT「で、始めに出るのがレイちゃんっつーことで」
シンジ「レイがばこーんっと。」
マコT「あははははは。」
シンジ「いっぺん死ね」
マコT「でわ、次回予告。」
シンジ「使徒の凶弾に倒れるレイ。」
マコT「シンジは作戦の時刻に間に合うのか。」
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