便利屋

第六話 バック転での悲劇






「ふーん…、第四使徒…か、シンジってばうまくやってるかしら。」

薄暗い部屋に、髪を短めに切った、アジア系ともヨーロッパ系ともつかない顔立ちを持った女性と

「ま、あいつのことだし、大丈夫じゃないのか?まったく、姉御も心配性だなぁ。」

髪をショートモヒカン風にした青年が話している。

「心配もするわよ、ほぼ弟なのよ?」

「ま、そりゃそうだな、…よしっ、この写真で最後だ。」

「もうとり終わったの?使徒の写真。」

「まぁな、仕事は速く正確にが俺のモットーだからな。それにあの方の頼みとなりゃ、早くせざるをえないだろう?」

「そうね…シンジには悪いけどね。」

「あぁ、さっさとやらないと俺らが殺される。」

姉御と呼ばれた女性は誰が見ても明らかにわかる悲しそうな顔をした。

「ごめんなさい、シンジ…。」

「おい、キクの姉御、そっちは終わったのか?」

「…まだよ…。」

「そうか、俺先に上がらせてもらうわ。」

「ちょっ!!待ちなさいよアル!!!今すぐやるから待っててよ、一人は怖いのよ、この部屋!!!出そうで!!!」

「…はぁ…姉御…人一倍霊感があるのも考えもんだよな…。」

「うるさいわね…。」

「解ったよ…。」

キクと呼ばれた女性は、仕事を早く終えると荷物をまとめた。

「よし、行くぞ姉御。」

「わかったわ。…願わくば…」





シンジに幸福のあらんことを…















「…まだ計画は始まったばかりだ。」

真っ暗な部屋で、誰かが話している。どうやら電話をしているようだ。

「…そうか、ああ、ああ…わかっている。シナリオは順調だ。…ああ、今のところあの小賢しい『悪魔の申し子』でさえも出し抜いているのだぞ?…あぁ計画に一寸の狂いも無い。あぁ…あぁ…あぁ…解っている…じゃぁな。」

そこまで話し終えると男は暗闇で顔をゆがめて笑った。

「……願わくば汝、碇 シンジに…。」





災いあらんことを願う…





サターンの名において…。



























「今よ!!!一斉掃射!!!!!」

その言葉と同時にパレットガンから劣化ウラン弾が、何千と発射される。

そして目の前にいる不可思議な生命体は案の定弾幕で見えなくなってしまった

「バカッ!!!弾幕で目標が見えない!!!」

どこぞの無能作戦部長が吼えた。

その言葉にシンジは静かに怒りの感情を放った。

「命令どおりにしたんですがね…。」

その瞬間、使徒シャムシエルの鞭がひらめいた。

「危ない!!!」

ミサトが叫んだ。

「ちッ!!!ウィップか…」

シンジは危なげもなくそれをかわした。

かわすと同時に強烈なカウンターを返した。

モロに食らって使徒はもんどりうって転んだ。

その隙にシンジは更なる追撃を入れる

しかし、使徒もただの馬鹿ではないのか必死でコアを守っている

「ちっ…」

シンジが小さくしたうちをした。











「おい、トウジ。」

と呼びかけられた少年、トウジはまだ放心状態であった。

まわりから、シンジのことを非難する声が聞こえる。

「おい、トウジ!!!」

トウジはまだ気づかない、

あまりの恐怖からのショックでまだ茫然自失状態だ。

「おい、トウジってば!!!!!」

やっと、トウジはこっちに戻ってきた。

「な…なんや?」

「内緒で外に出ようぜ。」

「あほ、外に出たら死んでまうやないか…。」

「ここにいたって同じさ、どうせみんな死ぬんだ、一目見てからのほうが「あほ!!!」」

トウジはケンスケの言葉を途中で止めた

「ワイはな、さっきのことで、いまおこっとるんが、ほんまに戦争何やっちゅうことを思い出したんや!!!もう、ワイに構うな。」

「…わかったよ、俺独りで行くから。」

「悪いな。今は一人になりたいんや。」

「いや、俺のほうこそ悪かったな。」

そういって、ケンスケはシェルターを出ようとした…が

「ちょっと!!!相田君何処に行く気よ!!!」

「いや、ちょっと外「委員長」」

またもや、ケンスケの言葉をトウジがさえぎった。

「ワイら便所や。」

すると、ヒカリは少し顔を赤くして

「も、もう、ちゃんと済ませなさいよ。」

そうして、二人は出て行った

「トウジ、お前…。」

「いくんやろ?ささっといって、ぱっと帰ってくるで。」

「わかった。」























「…すごいわ…あの音速を超えてる鞭ともう三十分以上も互角に戦ってる。」

地上では鞭をシンジが避け、シンジのカウンターから使徒がコアを守りという感じで

音速の戦いが繰り広げられていた

「…ちっ…。思った以上に長引いてやがる…。いったん引くか。」

シンジはそうつぶやくと、大きくジャンプした。

そして、地面に手をついてそのまま後ろに起き上がった。

いわゆる、バック転である。

そして足を突いた。





























「よし、これで、外に出れるはずだ…。」

「…なんや、えらいきつい道のりやったなぁ。」

「それでもこれで終わりだ。」

「いっせーのっせ。…ふわぁー。えらいまぶしいわ。」

「うーん、気持ちいいなぁ…。」

二人は、他の人達がシェルターに避難してる中自分達だけ地上に出ているというちょっとした優越感に浸っていた。

「…こんなことしてる場合じゃない早く行かなきゃ!!!」

と動こうとした瞬間。

チラッと見えた

初号機が。

しかし喜ぶ暇はなかった

その初号機がどんどん大きくなっているから

すなわちこっちに来ている。

「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」」























「エヴァ初号機足元に民間人発見!!!」

「だれ?」

「初号機パイロットのクラスメートです。」

ディスプレイにはトウジとケンスケの顔とプロフィールが詳しく表示されていた

「何でそんなとこに?」

「しらないわ!!!シンジ君、無視して攻撃を続行。いいわね?」

ミサトがいま最善と思われる命令を飛ばす。

しかしそのときシンジはもう行動していた。



『そこの二人!!!早く乗れ!!!説教はあとでたっぷり受けてもらうから、今はこれに乗るんだ!!!!!!!』

「なんや、乗れゆうとるで?」

「いこう。」

二人は初号機の飛び出たエントリープラグに向かった。







「シンジ君!!!?まぁいいわ…、一時撤退!!!」

しかしシンジは撤退するそぶりを見せなかった

「シンジ君!!!?」









「ぶわっ、水や無いかこれ!!!」

「か、カメラカメラ。」

そこは、エントリープラグの中であった

彼らが乗ったおかげで、初号機の動きはだいぶ遅くなっていた。

そのおかげかどうかは解らない

ただ、不運に不運が重なったことは言っておこう

混乱の隙に近づいてきた使徒が鞭をひらめかせた。

片方は初号機の腕をそぎ落とし

片方は腹部をえぐった

「しまった!!!!!」

シンジが叫ぶがもう遅かった。

初号機は攻撃をもろに受けた

「ぐっ…。」

シンジはくぐもった声を上げた。

「て、転校生大丈夫か?」

「…だ、だいじょ…ぶ…だけど、ちょっと…い、痛い…かな?」

「で、でも、血ぃでてるやんけ。」

「は?…あ、マジだ…ど、通りで…い、痛いと思ったよ…。」

もう息も途切れ途切れである

LCLの赤とは違う赤が混ざる

「…さぁ…特攻だ…お、お前らの精神は…つ、ついてこれるか…な?」

初号機は特攻した。





































総司令執務室にミサトが来ていた

「これより、戦闘結果報告を始めます。」

「第四使徒、第三新東京市に出現、マギはこれをシャムシエルと命名。即時殲滅に向かいます。エヴァンゲリオン初号機、使徒と激しい攻防を繰り広げますが、途中で民間人を発見、初号機はこれを命令拒否の権利を使用、エントリープラグ内に保護。そのときの使徒の攻撃で右腕と腹部を損傷。そのあと初号機の特攻、および自滅攻撃でコア破壊、使徒沈黙。殲滅後初号機を回収、右腕と腹部を損傷したパイロットを保護。原因は現在調査中。初号機パイロットは全治5週間。なおエヴァンゲリオン初号機大破。」

「そうか」

「これにて、戦闘結果報告を終わります。」








今日の舞台裏

マコT「はい、今回から始まる今日の舞台裏。ながちゃんさんHPに投稿させてもらった俺の駄作見た人は知ってるかな?」
シンジ「ども、主役のシンジです。今日は、作者が、宇宙食のアイスクリーム食べて気分が悪くなったので、ちょっと早めに更新となりました」
マコT「…冷たくないアイスクリーム…どうよ?」
シンジ「いいんじゃない?ところで作者、伏線いっぱい張っちゃってるけど大丈夫なの?」
マコT「…無理かも…。」
シンジ「無様だな…。」
マコT「はい、最後の戦闘結果報告は、わかる人だけわかってくれればいいです。エヴァ2が元ネタなんて死んでもいえない…。」
シンジ「…言ってるジャン…。」
マコT「はっ!!!しまった。」
シンジ「さぁ、あの謎の男はどうなるのでしょうか、そして、僕の運命やいかに!!!」
マコT「じゃあ、次回予告!!!今のところ、トウジ、ケンスケ秘密の特訓!!!って書いてあるけど…。」
シンジ「は?良くわかんね。じゃあ次回もお楽しみにバハハーイ。」  

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