便利屋

第五話 第四使徒襲来












「…というわけで、アスカには加持君のほかにもう一人護衛がつくことになった。」

隣にはいい雰囲気を出しているナイスミドルと、茶髪の少し垂れた眼に愛嬌のある女の子がいた。

「やぁ、フロイライン惣流。」

コウジはそういって目の前にいる赤い髪で青い眼の女の子を撫でようとした。

すると手をはじかれた。

「私はもう子供じゃないのよ。」

コウジは少し苦笑いすると

「ははは、気の強い女性だ。でもな、ミス惣流。」

「なによ。」

「子供じゃないって言ってるうちは、永遠に子供なんだよ。」

「なっ!!!」

「噂によると君は自分をエリートだと自負してるじゃないか?」

「そっそうよ!何が悪いの?」

「能ある鷹は爪隠すって聞いたこと無いか?」

「ど、どういう意味よ。」

「ホントにすごいやつは自分の能力を隠すのさ。」

「どっどういういみっ!!!」

そのとき、ドアのほうから間の抜けた声が聞こえた。

「おい、コウジ、あんまりうちのお嬢さんを怒らせないでくれよ。」

「加持さん!!!」

よれよれのワイシャツにだれたネクタイ。

しかしそれは仮の姿で、彼もコウジと同じ世界では幅を利かせているらしい。

「おぉ、加持じゃないか。久しぶりだな。」

「まぁな、3年ぶりか?シンジは元気か?」

「あぁ、お前も聞いただろ?あいつは今一世一代の大仕事中さ。」

「ほう、金さえあれば何でもやるって、ホントにそうだったんだな。」

「まぁな。」

そんな感じで加持とコウジが話をしているとアスカが口をはさんできた。

「加持さん、この人加持さんの知り合いですか?」

「あぁ、こいつは俺の気の置けない仲間だよ。」

「へぇ、加持さんって顔が広いんだぁ。」

「改めて、長瀬 コウジだ、よろしくな。便利屋などをやっている。  
君の護衛も便利屋としての仕事だ。」

「ふーん。」

「まぁ、とりあえず言っておくが、俺の前では自分を特別だなんて思わないことだ。」

「なっ!あんたに何がわかるってのよ!!!」

「は?違う、俺はお前がエヴァのパイロットだろうと、キリスト様だろうと、聖母マリアだろうと、特別視しないからな。  
悪いことやったときはしかるし、怒るし、殴るし、蹴るだろうが。ま、俺にとっては普通の行動だから安心しろ。」

(殴ったり蹴ったりが普通の行動?)

アスカは少し怪訝に思ったが、自分を特別に見ないということに

嬉しいような

悔しいような

そんな感情を抱いていた、

それから冷静になってみると

コウジが加持に似ていることが解った。

雰囲気とか

かもし出すオーラとかが。

(この人、案外いい人なのかもね。)

彼女の中でコウジの株は上がった。

「…と、言うわけでこれから護衛になるわけだ、じゃ俺はここで。マナ!行くぞ。」

「解りました。帰ってもビールはお預けですからね!」

「マナちゃーん、勘弁。」

「ダメです。」

そんなこといいながらコウジは帰ろうとしていたが何か気づくようなしぐさをするとアスカのほうに向きかえった。

「アスカ、こいつ俺の愛弟子だから仲良くしてやってくれ、霧島 マナって言うんだ。」

「弟子?」

「あぁ、弟子だ。他にも何人かいるけどな。」

「どんな人がいるんですか?」

「あぁ、みんな便利屋してるよ。その中の一人が今人類を賭けた大仕事してるけどな。」

「ほぇ?」

「君と同じだよ。じゃあな。」

コウジはそういうと今度はちゃんと去っていった。

マナは一つお辞儀をするととことことコウジについていった。

「…サードチルドレンが、あの人の弟子…。どんな人なんだろ。」

アスカの思考は数週間そこから離れなかったような。










とある喫煙室にて、

「…加持ぃ。」

紫煙を吐きながらコウジが加持と話していた。

その表情は何処か辛そうだ。

「なんだ?」

「もう例の仕事は止めたのか?」

加持はそのことを聞くと少し顔をしかめた。

「いや、まだだ。」

コウジはその返答に眉を動かした。

「加持。」

「なんだ?」

「真実を追い求めるのもいいがそこそこにな。俺でよかったら少し手助けするから危ない仕事のときは一言声掛けろよ。」

「…ああ、ありがとうな。」

「もう、俺は、知り合いが死ぬのは嫌なんだ。」

「ん?」

「俺がガキのころ、お前に似た人がいたんだ。相思相愛の人もいたし、俺も俺の仲間たちもみんなその人を慕ってた。  
いつも真実を掴むっていって、世界を飛び回ってた。」

「ふぅん。で?その人が死んだと。」

「あぁ、恋人の電話に意味深なメッセージ残したっきり見てねぇんだ。」

「ほう。」

「だから…な。」

「一つ聞くが、その恋人はどうしたんだ?」

加持がそれを聞くとコウジは眼に見えて悲しそうな顔をした。

「…死んだよ。」

「…」

「軍隊が攻めてきてあ、俺を守って死んだ。」

「そうか、辛いこと聞いちまったな。」

「いや、俺の中ではもう過去の出来事だ。」

「そうか…。」














「へぇ、あんた、戦時にいたの?」

「うん、でも秘密だよ、アスカ、コウジさんに秘密にしておけって言われてるんだから。」

マナとアスカは会って数時間で仲良くなっていた。

アスカは今まで訓練やら何やらで同年代の友達がいなかったからか、何処か嬉しそうだ。

「で?そのシンジってやつがサードチルドレンなのね。」

「うん。私、精一杯アタックしてるのに、鈍感なのか、それとも気づいていて無視してるのかちっとも構ってくれないのよ。」

「ふぅん。そのシンジってやつも便利屋やってるんでしょう?」

「うん」

「便利屋って基本的にどんな仕事してるの?」

アスカが聞いた、その瞬間マナの顔色が悪くなった。

「ごめん…それ、聞かないでくれる?」

「へ?」

マナは少し我に返ったような顔をするとあわてて言いつくろった。

「あ、あの、つまり、便利屋って何でもやるから、少しみっともない仕事も多くてさ、あまり人に離せないなーって、はは、ははは」

「ふぅん。変なの?」

「ははは、ははは。」

そんな感じで、マナとアスカが話していると、加持とコウジが鬼気迫る表情でどたどたと入ってきた。

「「アスカ!!!」」

「「な、なに?!!!!」

「「第四使徒が第三新東京市に出たらしい!!!」」
























「……A・Tフィールド中和後にパレットガンで掃射、とりあえずはそれでいって。」

「わかりました。効き目が無かったら接近戦にうつりますので。」

「解ったわ。じゃあ頑張って。」

「解りました。ミサトの姉御。」

「…そこまでしゃべれれば上出来だわ。じゃあ、エヴァンゲリオン初号機発進!!!」

そうしてエヴァは地上に解き放たれた。








「……久しぶりだね。少し大きくなったかな?ルシ?」

その瞬間鬼は吼えた











後書き
 どーもマコTです。
一ヶ月ぶりの更新。これからはもっと早めるので堪忍です。
さぁ、勘のいい人はコウジの招待がわかったでしょうか?
さぁ、アスカはどうなるのか、なんかコウジのせいで丸くなったッつーか
僕が書くと角が取れるッつーか…
自分の表現力にちょっと反省…
とりあえず、更新しました。
次の更新は、多分八月中にはやりますので。
もっと早くしてくれって方は苦情でも出してください。
というわけで。バハハーイ。
ps、来週から後書きが新しくなります。その名も今日の舞台裏。期待しといてください

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